【閲覧注意!】脊髄損傷後のトイレ事情


こんにちはせきそん嫁です!
年始めに今年は一週間に一記事上げる宣言をしていましたが、二記事目いかずしてさっそく宣言破りをしてしまいました。
とりあえず言っとけって立てた目標だったのがバレバレですね。
今度こそちゃんとするので引き続き覗いてくださいお願いします後生ですから。

さて、今回はかねてよりお問い合わせの方でも度々ご質問いただいていた「せきそんズのトイレ事情」のお話をしたいと思います!
ご質問を下さる方の多くがつい最近受傷してしまって大変だという境遇の人なのですが、やはりと言うかみなさん示し合わせたかのように口を揃えて「トイレが辛いです」とおっしゃっています。

いやもうその気持分かりすぎて…わかりみ…わかりみ…。
かつての私もどれだけ悩んだか。

「健常者で何不自由なく暮らしていたところ突然脊髄損傷になってしまったら生きていくのがいかに大変か」ということくらいは誰でも想像がつくと思います。
けれど具体的にどう大変かというのは実際経験してみないと分からないもので、思いもつかなかったところで不自由を感じることが多々あります。
トイレなんて正にその一例ではないでしょうか。

物心ついたときからトイレで用を足すことを行ってきたみなさんは最早トイレマスターといって過言ではないですよね。
早い人なら20秒もあればおしっこ済ませちゃいますもんね。
しかし脊損になったらそうもいきません。

まず脊損になると、
大前提で尿意便意を感じない!
その上、
自分の意志で排泄できない!

つまり、体にたまり続けるor垂れ流しの最悪の状況に陥るのですーーーー・・・・!完。

いや終わらないし終われない!

さて脊髄損傷よくわかんねえようって人にまず脊髄損傷にはレベルが存在するということを知っていただきたいと思います。

損傷レベルによる排尿障害


図のように脊髄損傷は大きく損傷レベルが区分けされており、部分によって体にどんな影響を及ぼすかが変わってきます。
排泄関係もこれに作用され、私のレベルですと一切の尿意便意を感じていません
ちなみに私はTh(胸椎)4~5部分の完全損傷で、割と重めの脊髄損傷とされています。
と言ってももっと下位の損傷だからといって排泄障害がないというわけではなくって、脊髄を損傷すると何かしらの排泄障害があるようです。

脊髄損傷と排尿障害

レベルによる細かい排泄障害は知識不足で分からないのですが私の場合ですと、
・ほぼ尿閉
・便意尿意の喪失

という状況です。

尿閉っていうのは、膀胱がキャパオーバーになってもまったくおしっこが出てこない状況を指しています。
たまに漏れちゃうことがあるので一応ほぼとしています。

失禁しないならいいじゃないかと思われるかたもいるかもしれませんが、おしっこを溜め続けるのは体にはめちゃんこ悪くって、最悪腎不全を起こしたりして死にます。
尿意が感じられなくって尿閉でめちゃくちゃ溜めすぎて膀胱が変形しておしっこが余計に溜められなくなった場合もあるそうです。

私の症状とは逆に勝手に失禁してしまう「過活動膀胱」で悩んでいる方もいます。
脊損による後遺症で神経回路に障害が起きて、排尿の信号のやり取りが上手くいかないくなってしまうそうです。
それはそれで辛すぎる。

うんちに至っては、肛門括約筋を使えない場合はもうなすがまま垂れ流し排便です。

こういった問題を抱え待っている分、外出に後ろ向きになってしまったりする人も少なくありません。
腹痛も感じにくい私たちにとって、飲食にも気をつけないとすぐに失禁なんてザラだったりします。
でも水分多めに取らないと血栓できたりするし何重苦だよ脊髄損傷バカタレ。

せきそんズの排泄方法

さてそんな排泄の悩みを抱える私たちは健常者の人とは違った排泄方法を行っています。

まず排尿の場合、その名も「自己導尿」です。

読んで字のごとく「自ら排尿を導く」方法です。
自ら排尿を導くっていうとすごく分かりにくいのですが、(読んで字のごとくって言いたいが為に強引に崩した)要は道具を使って強制的に排尿させる方法です。

自己導尿セット

こちらの道具を使って導尿を行います。

セルフカテーテル
自己導尿に必須な道具。シリコンの管。使わないときはグリセリン液の入った細長いケースに入れておく。

グリセリン液
セルフカテーテルを清潔に保つ液。一日一回はケース内のグリセリン液を総入れ替えする。

アルコール除菌タオル
手を清潔にするために必須。

で、一体どんな方法で行うかと言いますと、尿道口に直接カテーテルを突っ込んで膀胱にぶっ刺しておしっこを出すという方法です。

「っアーーーーーーッッッッッ!!!!!」ってなりそうな文言で申し訳ないですが本当にこうやって排尿します。
手術や入院などで尿道にカテーテルをぶっ刺したことのある人はすごく不安になるかもしれませんが、感覚神経も失っているので痛みはありません。

初めて自己導尿を教わったときは絶対こんな小さい穴にこんな管入れられないと思いましたが、今はスッと迷わず一発で入れられるようになりました。

この方法で注意しないといいけないのは、尿路感染を防ぐということです。
おしっこの通り道、「尿路」にばい菌が入ると、容赦なく尿路感染という病気になります。
私も幾度かやらかしていて、これにかかるととんでもない高熱にうなされます。
尿路感染にかからない為にも自己導尿では除菌がマストになってきます。
だから外出したときに多目的トイレが信じられないくらい汚いと、嫌悪感以前に身の恐怖を覚えるようになりました。

ちなみに男性の場合だと、女性用よりずっと長いカテーテルを使うそうです。
持ち歩くの大変そうだな。

上:男性用セルフカテーテル28cm 下:女性用12cm

[画像引用]セルフカテ® | 富士システムズ株式会社

 

さて次に排便方法ですが、こちらは人によって方法が違うんじゃないかなと思います。

私の場合はこの際なのではっきり言っちゃうんですが、「摘便」という方法をとっています。

正直これは人に勧められる方法でもないし、もしかしたらこの記事を読んだ医療関係の人からお叱りを受けてしまうかもしれません。
というのも摘便というのは、「指を肛門に直接入れてうんちをかき出す方法」だからです。

友達やめないで…と心の中で願いながら話しています…。

なぜこの方法が勧められる方法じゃないかといいますと、素人がすすんでやっていい手技ではないからです。
摘便はそもそも医療行為で、看護師さんにしてもらうには医療費がかかるほどです。
無知でやると内壁を傷つけるなどとにかく何が起こるか分からないです。

そんな危ない方法をなぜわざわざやってるんだ!ってことなんですが、理由は「時間がもったいない」に尽きます。

重度の脊損の場合、先程もお話したとおり肛門括約筋が効かない分うんちが出るのを待つしかありません。
多くのせきそんズの人は排便コントロールを身につけ、うんちの日をちゃんと決めて、その日に浣腸してトイレに何分も鎮座するという生活を送っているのだと思います。
でもそんなんやってらんなくない?!何分もトイレで待ってらんなくない?!!!

健常者時代は良かったんです。
なんならトイレに本棚があって通称「うんこ本」ってうんちの時に読む用の本を用意していたくらい長トイレ派だったので。
でも脊損になった今、何がダメって床ずれになるんですよ。
長時間肉の削げたお尻を便座に全体重預けると容赦なく床ずれになるんですよね。
床ずれがどう怖いか分からない人は「床ずれ」「褥瘡」で検索してください。(自己責任で)

兎にも角にも人生命がけのトイレにそんな時間費やせないので、私はもう割り切って自己責任で摘便人生を送ろうと決めました。
一応国立障害者リハビリテーションセンターの脊髄損傷排便マニュアル(PDF)にも摘便方法は載っているので必ずしもダメな方法ではないとは思います。

※摘便をするときは、必ず使い捨てのゴム手袋をし、体に害のない潤滑剤を使いましょう!!!!
私は潤滑剤に無印のオリーブオイルを使っています。
オリーブオイル 50ml
携帯もできて便利!
ゴム手袋はピタッとするタイプがおすすめ。

まとめ

いかがでしたか?
脊損にとってトイレって一苦労なんです。
しかも車椅子だと場所も選ばされる。
外出したらまずトイレの場所を確認しなければいけないのもなれない頃は億劫だったし見つからないと不安でした。
今はトイレを見つけたら「やったぜ(☝ ՞ਊ ՞)☝ヤリィ〜!!!」ってちょっと宝探し感覚になって成長したな…と感じたり。
一昔に比べて多目的トイレってすごく増えたんだろうなと思うのですが、それでももちろん少ないので、健常者の皆さんにはご配慮いただきたいな…と思います。
あと障害者でもそうだけど公共のトイレは汚すな。キレイに使え。

あ、あと生理の時とかもっと大変。
100%の確率でパンツの上げ下げで経血がつきますし、しょっちゅうナプキンずれるし最悪です。
あまりに漏れがひどすぎて子宮取ったろか!!!と泣きながらガチギレしたことがあります。
それくらい辛い。
そろそろせきそんズ用生理用ショーツつくろうかな…。大手下着メーカーお待ちしてます…。実験台になるんで…。お願い…。

今回はここまでです!
それでは〜。