再生医療で治療不可能な脊髄損傷を治すのじゃ!

こんにちは!せきそん嫁です。
今回は、以前に書いた「いよいよ来年夏に臨床試験開始!iPS細胞で脊髄損傷治療!うっす〜い知識で語るサルでもわかる程度のiPS細胞のはなし」の派生内容の記事になります。

というのも、つい先日満を持してヒトiPS細胞由来の神経幹細胞移植による脊髄損傷治療の臨床研究の認可が国から降りたニュースが飛び込んできたんですね〜。
とうとうです!嬉しいですね!
で、以前書いたiPS細胞の記事の終わりに、「次回はiPS細胞と脊髄損傷治療の話をまたこんな感じでやりたいと思います。」と書いていたので、このタイミングでやったらブログアクセス伸びんじゃねえかっていう下心を動機にリサーチ期間1日の薄っすい薄っい記事を書きました。

正直細かなところは一切理解できなかったので、かなり大雑把な内容になっています。
今回も医療従事者の方で「こいつ何堂々と的はずれな説明してんだ」って点があればぜひ世直し的正義感で訂正メールをいただけるととても助かります。
即座に修正いたします。

さてさて前置きはここまでにして、今回のテーマ「再生医療で脊髄損傷治療の方法」についてお話をしていきましょう。

再生医療で元気な脊髄を取り戻すのだ!

再生医療による脊髄損傷治療の代表的な方法をみなさんご存知でしょうか?

その1 iPS細胞
その2 ステミラック注

実は再生医療と言ってもひとつではないのです。
先日のビッグニュースiPS細胞で脊髄損傷治療 厚労省、慶大の計画了承 で既に大まかなiPS細胞による脊髄損傷治療の内容を知っている方は沢山いらっしゃると思います。
もう知ってるよ〜という方も復習のつもりで読んでいただけたらうれしいです。

その1 iPS細胞で復活!

先日2月18日、世界初ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞移植による脊髄損傷治療の臨床研究が認証されました!

「やっとスタートラインに立てました」とおっしゃっていましたね。

iPS細胞で再生医療ってよく聞くけど、実際のところ脊髄損傷はどのようにして治療をするのでしょうか。

この世で最もテキトーなiPS細胞による脊髄損傷治療の説明図

京都大学iPS研究所が備蓄する他人由来のヒトiPS細胞を、神経のもととなる神経幹細胞に変え、そのヒトiPS細胞由来神経幹細胞を損傷箇所に注射で移植する。そしてその後リハビリを行う。

手順を説明すると驚くほどシンプルですね。
移植した後、移植由来の細胞の力で修復不能な脊髄を再構築していくという…。
やっぱり何度聞いてもすごいなと思います。

ちなみに今回使用するiPS細胞は他人由来のものなので、移植後拒絶反応が出る恐れがあるそうです。
その為、移植後半年間は免疫抑制剤(体内で過剰に起こっている異常な免疫反応を抑える薬)を使い、1年間ほど経過を見るそうです。

患者さんの募集は今年の秋〜冬にかけて行う予定のようです。
ひー!待ちきれない!と思ったせきそんズの方…残念!!!!
今回の研究対象者は、受傷から2〜4週間の亜急性期の18歳以上の方のみです…。(せきそんズならたぶんみんな知ってる事実)

なぜなら、今回の方法では、受傷歴の長い私たちのような慢性期患者には有効性がないことが明らかになっているからなのです…ガーン。

〜脊髄損傷の慢性期の特徴〜

慢性期とは病状は安定しているけれど、治癒には至っていない時期を指します。
脊髄損傷の場合、私のような脊髄損傷を負ったけれど、これ以上悪くはならないし、良くもならない状態が長く続いていいる人は慢性期と言えます。
受傷後おおよそ半年が目安で改善が見られなかったら慢性期とされているそうです。

脊髄損傷の慢性期は、受傷間もない急性期とは違った特徴があります。

脊髄(中枢神経)には「ニューロン(神経細胞)」と「グリア細胞(神経膠細胞)」という細胞が存在するんですが、慢性期の脊髄損傷患者は、普段髄索(信号を伝達する神経細胞体の突起)の絶縁体(導線を覆うビニールのようなもの、この場合髄鞘といいます)の役目を果たすグリア細胞が損傷した神経をかさぶたのように覆ってしまい、中枢神経の再生を邪魔してしまうそうです。(グリア瘢痕・瘢痕組織とも言われます)

そのせいで、iPS細胞で神経幹細胞を移植しても、覆われたグリア細胞が邪魔をして再生ができない…そうです。
わかった???大体わかった?細かいことは知らなくていいです。私もわからん。

しかしそんな慢性期には再生医療はまだまだ夢物語…と他人事のように思っていたある日、これまたビッグビッグビッグニュースが!!!

治療が困難とされてきた慢性期脊髄損傷治療に新たな光―細胞移植単独治療で運動機能回復―

どどどどどどどどっひゃーーーーーーー!!!

なんとなんと昨年末ごろ、慶応医学部岡野先生・中村先生ら研究グループが、慢性期脊髄損傷のマウスに対してiPS神経幹/前駆細胞を移植することで、マウスの運動機能を回復・維持させることに成功したとのこと!

これはウルトラビッグニュースですぞ〜!
え、なんで?出来ないって言ってたのに〜!
でも嬉しいからニコニコが止まらない〜!(嬉///)

つまりどういうことかと言いますと!

慶應義塾大学医学部生理学教室の岡野栄之教授、整形外科学教室の中村雅也教授らの研究グループは、これまで細胞移植単独では治療効果を得ることができなかった慢性期の脊髄損傷(注1)モデルマウスに対して、Notchシグナル阻害剤(注2)で前処理したヒトiPS細胞から樹立した神経幹/前駆細胞(注3)を移植することのみで、運動機能を回復・維持させることに成功しました。
これまで、本研究グループの行ったヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植単独では、亜急性期(受傷後数週間以内)における脊髄損傷に対しては有効性が確認できた一方、慢性期の脊髄損傷に対しては有効性が確認できませんでした。また、今日にいたるまで細胞移植治療単独では機能改善が得られたという報告は世界でも極めて少なく、慢性期の損傷脊髄における細胞移植単独は効果がなく、亜急性期を逃すと神経幹細胞移植は行えない、あるいは行っても効果が得られないとされてきました。
今回、本研究グループでは、細胞間の情報の伝達経路の一つであるNotchシグナルが働かないようにして神経幹/前駆細胞を前処理すると、有意にニューロンへと分化するだけでなく、軸索(注4)の再生を促す作用もあることに着目しました。そこで、Notchシグナル阻害剤で前処理したヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞を、慢性期の損傷脊髄へ移植したところ、再生や運動機能回復が困難といわれる過酷な状況においても、軸索の再生・伸長が起こり、さらに再髄鞘化(注5)も誘導することを発見しました。

[引用] 治療が困難とされてきた慢性期脊髄損傷治療に新たな光―細胞移植単独治療で運動機能回復―

ってことだそうです!

分かった???

Notchシグナルっていう細胞間の情報伝達経路を働かないようにして、神経韓/前駆細胞を前処理すると、有意にニューロンへと分化して、軸索の再生を促せるっていう…?あ???
そこでNotchシグナル阻害剤(GSI)で前処理したヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞を、慢性期の脊髄損傷へ移植したら、瘢痕組織を乗り越えて軸索が再生して伸び始めたってことでいいの????

全く理解しきれていませんが、とにかく!過酷と言われていた慢性期の再生治療に大きな第一歩が踏み出されたということですね!

臨床研究も始まりますし、この新たな成功も含めめっちゃいい流れに乗りに乗って、いち早く私達慢性期患者に夢を見させていただきたいです!
本当にありがとうございます!!!引き続きよろしくおねがいします!!!

その2 ステミラック注で復活!

ステミラック注という言葉を初めて聞いた方が多いかと思います。
こちらも昨年実用化されるというニュースで大きく取り上げられた再生医療のひとつです。
しかもついこの間、2月26日にステミラック注の保険適用が了承されたという報道がありました。
つまりiPS細胞よりも早く実際に臨床現場で実用化が決定した!ということです!
使えるってことです!
もちろん?こちら世界初の脊髄再生治療となりました!すげっ!

ステミラック注とは

名称:再生医療等製品「ステミラック注」 一般名:ヒト(自己)骨髄由来間葉系幹細胞
札幌医科大大手製薬会社ニプロの共同開発の製剤です。

この世で最もテキトーなステミラック注の説明図

患者本人から骨髄を採取 観葉幹細胞を分離培養 細胞製剤にして静脈に点滴 損傷部分に間葉細胞が集まり回復を促す

iPS細胞とは違い、患者自身の骨髄から採取した間葉系幹細胞で行う治療なので、拒絶反応も出ないそうです。

間葉系幹細胞とは
骨髄や脂肪などに含まれており、傷ついた細胞を入れ替える。
骨や神経などに分化できる。

iPS細胞治療でも思ったけど、受ける側めっちゃ楽やん…!(治療後地獄のようなリハビリが待っているにしても)
細胞ってすごい!再生医療ってマジ神だと思いませんか…。
2013年の治験では、点滴しリハビリをした13人中12人が改善したそうです。
完全麻痺の患者さんも脚が動かせるまで回復したそうな…。

ちなみにこちらの治療、対象となる患者さんは、「外傷性の脊髄損傷で、ASIA機能障害尺度がA、BまたはCの患者」に限られるそうです。
そして受傷から1〜2ヶ月以内に注射をする必要があるそうです。
ちなみにお値段ですが、これがおったまげーの1495万7755円也。

ウルトラ高額ですが、ぶっちゃけ借金してでも治るなら…って思ってしまいます。
慢性期なので残念ながら対象外ですが…。死ーん。

今現在の値段設定がピークなので、今後この製剤の有効性と世界規模で見た脊髄損傷者の人工の多さからして値段はおそらく下がっていくことでしょう。(たぶん)
てか下がってくれないと困りますね。

4月以降受注を開始し、開発元のひとつ札幌医科大1施設でのみ提供されるそうです。

まとめ

いかがでしたでしたか!
一昔前では脊髄損傷は負えば最後、一生治らないものとされていました。
それが2019年現在ではその価値観もかわりつつあります。
ここから本当に成功して、その恩恵何年後実際私達に届くのかはわかりませんが、首を長くして期待値マンマンで待っていて良いフェーズになったと言ってもいいんじゃないでしょうか!
本当に再生医療で立って歩ける日が来た暁には、中山先生と岡野先生と中村先生を祀った神棚を作りたいと思います。

今回はここまでです!
理解が乏しいまま書いたので、結局分かり辛い記事になってしまい申し訳ありません。
まじで誰か講義してくんないかなー。

また何か面白そうなことで共有したくなったら記事にしたいと思います。

それでは〜。

[参考]
iPS細胞で脊髄損傷治療 厚労省、慶大の計画了承
治療が困難とされてきた慢性期脊髄損傷治療に新たな光―細胞移植単独治療で運動機能回復―
脊髄損傷を患者の細胞で回復、承認へ 「一定の有効性」
【障がい者コラム】脊髄損傷の再生医療とその後の生活【その1】